予防接種とは
予防接種の役割
私たちの体には、細菌やウイルスといった病原体から体を守る免疫システムが備わっています。予防接種の目的は、病原性を弱めた、あるいは病原性を完全に失わせた「ワクチン」を接種することで、あらかじめ免疫を獲得することです。
予防接種を受けることで、感染症の発症予防や重症化阻止が期待できます。自身がかかりにくくなることは、家族や友人など身近な人への感染拡大を防ぐことにつながります。
予防接種の留意事項
市町村が行う予防接種は定期接種と呼ばれ、対象者は無料で受けることができます。小児期のワクチンの多くや、高齢者肺炎球菌ワクチンが該当します。
一方、定期接種以外の予防接種は「任意」接種です。発熱などの副反応のリスクと、感染予防・重症化阻止効果のベネフィットを天秤にかけて、受けるか受けないかを各自が判断することになります。
2020年10月1日から、注射生ワクチン以外のワクチンは間隔をおかずに接種できるようになりました。注射生ワクチンの後に次の注射生ワクチンを接種する場合のみ、27日以上間隔を空ける必要があります。
予防接種の種類
インフルエンザ
インフルエンザは、毎年流行する型が異なります。その年に流行が予想されるタイプのワクチンが製造されるため、ワクチンを接種したからといって、発症を100%予防できるわけではありません。
ただし、重症化は抑えられるとされています。成人は1回のみの接種ですが、13歳未満は2回接種する必要があります。
肺炎球菌
肺炎球菌は、日常生活における肺炎の原因菌として最多です。とくに免疫力の低下した高齢者がかかると重症化しやすく、死に至る危険性があります。
65歳以上の方は予防接種が推奨されており、60~64歳であっても、心臓、腎臓、呼吸器などに障害のある方は対象となります。
麻疹/はしか
麻疹では、発熱・咳・鼻水といった風邪様症状と発疹がみられます。感染力が非常に強く、肺炎や脳炎を合併することもあります。先進国でも1000人に1人が死亡するとされています。
麻疹の予防には、麻疹ワクチンの接種が効果的です。1回目の接種で95%の人に免疫ができ、2回接種することで、さらに多くの人が免疫を獲得できます。
風疹/三日はしか
感染すると、発熱、発疹、リンパ節の腫れなどがあらわれます。15%程度は無症状の不顕性感染です。
麻疹と症状は似ていますが、風疹の場合は、発疹が三日ほどで消えることから「三日はしか」とも呼ばれています。
妊娠中に感染すると、胎児が難聴・心疾患などを伴う先天性風疹症候群を発症することがあります。
風疹ワクチン未接種で、過去にかかったこともない女性は、妊娠前にワクチン接種を積極的に検討すべきとされています。
帯状疱疹
帯状疱疹では、体の左右どちらか片側に、強い痛みを伴う発疹が出現します。80歳までに3人に1人が帯状疱疹を発症するとされています。
後遺症として神経痛がみられた場合、以降のQOL(人生の質)低下が問題になります。ワクチン接種により、発症率低減、重症化予防が期待できます。
B型肝炎
日本では約150万人がB型肝炎に罹患しているといわれています。B型肝炎ウイルスの感染力は強く、血液や性交渉を介して伝播します。
感染後1〜6ヶ月の潜伏期間後に、微熱、食思不振、黄疸などの急性肝炎症状がみられ、慢性化すると、肝硬変、肝臓がんになる場合もあります。
各種予防接種の費用
予防接種費用一覧
各種予防接種は、お電話での事前予約が必要です。流通状況などにより、製剤をスムーズに確保できないことも稀にございます。ご理解のほど、よろしくお願いいたします。
※ インフルエンザワクチンについては、毎年9月頃、「お知らせ」欄でご案内いたします。
※ 海外渡航時ワクチンをはじめ、「どのワクチンを接種すべきか」というお問い合わせにはお答えしておりません。
肺炎球菌ワクチン:ニューモバックス | 7,700円 |
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帯状疱疹ワクチン:シングリックス(2回接種) |
22,000円/回 |
帯状疱疹ワクチン:生水痘ワクチン | 7,700円 |
麻疹ワクチン | 6,600円 |
風疹ワクチン | 6,600円 |
麻疹・風疹混合ワクチン | 8,800円 |
おたふくかぜワクチン | 6,600円/回 |
B型肝炎ワクチン(3回接種) | 6,600円/回 |
A型肝炎ワクチン(3回接種) | 7,700円/回 |
狂犬病ワクチン(2回接種) | 16,500円/回 |
海外渡航時のワクチン | お問い合わせください。 |